Blowdartの種類其の四

Blowdartの種類其の四



USA、COLD STEEL社が出しているブローガン「625Magnum」に対応した矢の検証。
内径は約16mm

以前から気になっていた、『散弾ダート』が入手できた。
先日、偶然に日本での取り扱い店が見つかったので早速購入。
海外の本家サイトでは『Multi Dart』と表記されている。


使い方は先に矢を三本ほど吹き筒に込め、そのあとにショットチップという部品を入れてセットする。
鼓のような形状のショットチップは、COLD STEEL社の他の矢に使われている息受けを、二つ組み合わせたものだった。

初めてこの散弾ダートを見たときは、細すぎる矢と、両方に息受けの付いたこの部品の使い方がさっぱり分からなかった。
矢が飛ぶと同時に、ショットチップも飛び出すので、後から回収をする必要がある。


今回購入した矢のショットチップは、以前に購入した矢と若干材質が違い、大きさがほんの少しだけ大きい。
(写真上のもの)

その影響で吹き筒の中を通過する際の抵抗が大きく、他の矢に比べ力強く息を吐く必要があった為に、息を強く吹く時の反動で体が若干ぐらついてしまい、筒の揺れが大きくなってしまった。
命中率も明らかに下がっていたので、ショットチップの息吹受け部分を、以前購入した矢の息受けと交換することにした。
(写真下のもの)


交換後は余計な抵抗が無くなり、筒先の揺れも少なくなり、矢がスムーズに飛ぶようになった。


散弾ダートを三本入れて、5メートルの距離から使ってみると、的に散弾ダートの刺さり方は一定ではなく3種類ほどバリエーションがあった。

1.2センチ程の円の中に3本が比較的まとまり、刺さっている。
2.2本は近距離で、一本だけ10センチ程離れた場所に刺さる。
3.3本の内、2本しか刺さらない。



「3」の場合、的に矢が刺さる着弾音「パス、パス、パス。」の後に「パキーン」と矢が弾かれたような音がする。
推測では後ろから飛んできたショットチップにぶつかり、刺さった矢の内一本が弾かれているのではないだろうか。



使い道としては、複数の矢が拡がる特性を活かし、動いている標的を狙う場合などにはいいかもしれない。
一本だけを飛ばす場合より、矢が標的に当たる確率は若干上がるだろう。
また、始めの一矢を、確実に標的に当てる必要がある状況にも使えそうだ。



『散弾ダート』は、5m先の蝋燭の火を布狙うような精密な技術の練習には不向きかもしれないが、
複数の矢を一度に飛ばすというアイデアと特化したデザインは面白い。
さながら散弾銃のように「同時に」複数の矢を飛ばす機能をもつのは、僕が知っている限りではこの矢だけだ。



吹き筒の内側と息受けの間には、筒先を下に向けた状態で矢が自重で落下できるギリギリの隙間があるほうがいいようだ。
吹き矢の息受け部分は小さ過ぎると力を十分に伝えにくくはなるけど、矢は前には飛ぶだろう。
それよりも大き過ぎる方が問題のようだ。
今回のように、吹いた直後の吹き筒の揺れを助長したり、最悪の場合は中で詰まることもあると思う。


関連リンク:
Blowdartの種類 其の一 
Blowdartの種類 其の二
Blowdartの種類 其の三