SⅡS タクティカルエリート組立記録 (スピンドライブシステム修理)
秋葉原の某エアガンショップでSⅡS 製固定スライドガスガン、タクティカルエリートを見つけた。標準でサイレンサーアタッチメント付なのと中古本体とマガジンのみだが2000円のプライスに惹かれて購入。
早速部屋に持ち帰り、数発試射した後にホップ調整をした所イモネジを締め過ぎ銃の中に落下させてしまう。ネジは回収できたので元に戻したが、その後弾道がめっきり安定しなくなってしまった。数発毎に右下に弾が外れ2m先のA4用紙も狙えない。
後日、別のショップで見つけたタクティカルエリートの箱に、ホップ調整ネジを締め過ぎるとスピンドライブシステムが破損しますと書いているのを見つけ、ああぁこのことかと思う。
そこでネット情報を参考に分解しチャンバーを覗いてみると、B B弾にホップ回転を与える為のパッキンが無くなっていることが判明した。これではBB弾はホップ回転はおろか、適正位置にセットされるはずもなく、弾道は乱れる訳だ。
この形状に合いそうなホップパッキンはネットでは小売されていなかった。そこで先日300円で手に入れたジャンクの東京マルイ製エアコッキングガンから取り出したパッキンを加工し組み込むことにした。
左は加工前。よく切れるカッターナイフで出っ張りの部分を切断し、シリコンスプレーを多目に吹きかけ滑りを良くした後に、爪楊枝でチャンバー内にセット。使うのは円形の方ではなく、ホップかけ用の出っ張りのついた板状の方。
セットの際、パッキンの切断した側を銃口側に向けると、イモネジ下に丁度パッキン上の凹みがきた。 バレルの切り欠きを合わせチャンバーをバレルに取り付ける。
バレルはチャンバーの奥までしっかり差し込めたので上手く収まっているよう。
バレルアッセンブリーと トリガー周りの組み込み。セフティーレバーも組み込む。
トリガースプリングの方向は下の写真の通り。
くるりとひっくり返し本体にセット。
スプリングの先は本体に引っ掛けておく。
次はハンマー周りの組み付け。スプリングの方向は下を参照。
ハンマー組み込み前に、ピンと共に上の部品を先に組み込むとスプリングを引っ掛けやすかった。
更にバルブを押すパーツを組み込む。スプリングは幅広い方を外側にセット。
スプリングを若干縮ませながら本体に組み込む。
忘れずにウエイトも組み込む。
下は全ての部品を組み込み終えた状態。
フレーム片側だけの状態ではトリガーはスプリングのテンションでおかしな方向に傾いてしまうが、反対側のフレームを被せながら適正位置に調整する。
ネジは最も長い物がグリップの下、フレームが厚い場所に入る。
ハンマースプリングの組み込み。フレーム内のハンマーのパーツにスプリングが差し込まれるように入れた後、プラスチックのパーツを上から押さえながらネジを締める。
トリガーとハンマーを結ぶパーツのセット。スプリングは金属パーツに掘られた細い溝に先端が入るようにセットし、グリップを取り付ける。
マガジンキャッチの取り付け。小さいスプリングをパーツにセットした後にフレームに差し込む。
グリップを取り付けるとマガジンキャッチが固定される。
スライドを被せ、ダミーのセフティーレバーの辺りに固定ピンを差し込む。
内側にネジの切られたマズルパーツの取り付け。圧入して固定するタイプ。
分解時はネット情報を参考に沸騰したお湯に30秒程浸け、プラスチックが暖まった所でアダプターと手持ちのサイレンサーを付けて引っ張り、取り外した。
マガジンをセットして完成。
ホップ調整はひとまずイモネジの頭がチャンバー灰色パーツの上面とツライチ。試射をした所、上下にばらける弾は少なくなり弾道は大幅にまとまるようになった。
★後日追記★
秋葉原の某エアガンショップで再びジャンクなタクティカルエリートを入手できた。価格は1800円。作動OKだが、スライド固定ピンとハンマー周りのピンが無い個体だった。まぁスペアマガジン買うよりは安いのでよしとした。
早速破損前のホップ機能周りの確認の為に分解。エスツーエスではホップ機能のことをスピンドライブシステムと言っている。
こちらのタクティカルエリートのホップパッキンの入っているチャンバーパーツは灰色ではなく黒色だった。製造時期で違うのかもしれない。
分解前にパッキンの位置を見てみる。バレルの上に直接パッキンが乗っている訳ではなく、チャンバーの一部分を介してパッキンが乗っている。
イモネジとパッキンを取り外した状態。
左はマルイのエアコキから取り外したホップパッキン。右がエスツーエスの純正パッキン。ホップをかける出っ張りの場所が若干異なっていた。
数日後、エアコキパッキンを加工して組み込んだタクティカルエリートを7mのシューティングレンジでテストしてみました。
インドアフィールドでの使用を想定して B B弾は0.2gを使用。初速は56前後。レンジの室温は低めで肌寒い。
今日の環境ではイモネジの頭がホップチャンバーの上面とツライチの高さを初期位置とすると、そこから1回転+4分の3回転締め込んだ位置辺りが適正のよう。
無調整の初期位置では10発の内1〜2発は上や下に逸れてゆく弾が出てしまう。一回転締め込んでもほとんど変化無し。しかし、2回転締めるとホップがかかりすぎ弾が浮いてゆく。1回転+2分の1回転以降から調整が効き始めるように思えた。
適正位置では銃がブレにくいシングルアクションで7m先のハガキより一回り大きな金属製マンターゲットにほぼ水平に弾が飛び安定してヒットできていた。これならインドアフィールドでも活躍してくれそうだ。