吹き矢の練習 ハンドメイドタイプ初テスト

ハンドメイドの吹き矢を入手できたので早速テストを行った。
吹き筒の長さは1500mm
口径は12mm
距離10m


筒と矢共にハンドメイドで量産品とは雰囲気が違い、工芸品のような繊細な作りになっている。
又、制作者によって安定性を高める為、先端部分の錘設置や、フロントサイトなどの命中精度を高める為の工夫が随所に施されていた。



主に、これまでは市販品を使いこなすことに意識を向けてきたが、今回のハンドメイド吹き矢を前にして別の価値観に触れることができた。
そこからは、既成のものから意識を外し、自らが望む理想の吹き矢を自身の手で創造した制作者の並々ならぬ探究心の深さ、そして並大抵のものでは満足しない、理想の設定値の高さを感じた。


これまで使用してきたブローガンとの最大の違いは吹き口にある。
海外製ブローガンの吹き口の多くは管楽器のマウスピースのように唇を押し当てて使うようにできている。
しかし、今回のものは吹き口をくわえ、前歯で吹き口を軽く噛むように使用する。
結果、息漏れが少なくなるほか体を的に対して90度傾けた構えをとることができ、片方の利き目を使った照準を行いやすくなった。
吹き口を押し当てるタイプでは、この体勢をとると息漏れが発生しやすくなってしまう。


矢の重量は4g程度、コールドスティール社の「ミニブロードヘッドダート」と同程度だが、ハンドメイドの方が口径が小さい為か息を吐く時に、より重く感じる。
感覚の確認の為、練習後にコールドスティール社の1500mmタイプを吹いてみたところ、かなり軽く感じた。


その重さは矢のエネルギーになっているようだ。練習中、的のスポンジ部分から矢が外れ、ベニア板に刺さった時があった。片手では回収ができないほど深く刺さっており、両手を使って引き抜くことになった。
針部分の保護も考え、今後はペンチや、アーチェリーで使用する矢を抜く道具の吹矢バージョンが必要かもしれない。
コールドスティール社の矢ではここまで深く刺さった事は無い。


この重量為、矢は比較的横風の影響を受けにくいと思われる。
ただし、使い手の技量を問われる矢でもある。疲れて息を吐く力が弱まってきたとたんに、矢の着弾点が下方向に下がり始める。そこで力むと今度は左右に散らばり始める。なれない筒と矢の仕様のせいもあるが、自身の力量不足も感じた初テストだった。

吹き矢の練習 新型的テスト New target test

練習内容に変化をつける為と、練習環境の安全性を高める為に新しいターゲットを製作した。
又、以前の的の構造では的を貫通した矢がカーテンを傷付ける為、その対策でもある。


的の白丸の直径は16mm。今回使用しているブローガンの口径と同径。
吹き矢の息受け部分を使い白色のガムテープに型を採り、切り取って使用している。


的本体は厚さ5mmのゴムシート。後ろには厚さ55mmの小型の畳を重ねている。
白丸を距離を置き5点配置し、矢が互いに接触しにくいようにデザインした。


的が完成し、まず感じたのは「どうしてもっと早くこのデザインを思いつかなかったのだろう?」だった。矢同士が接触することで、息受けが破損した矢は20本以上あり、もしも、数ヶ月前に思いついていれば、無駄な矢の消耗を避けれたのではないかと、つい考えてしまう。


狙点が複数の為、毎回構えの修正作業も必要となるが、異なる環境でも安定した射撃をするためにもあえて取り入れることにした。


真ん中の点はこれまでと同様の高さなので問題はなかったが、下の2点が明らかに命中精度が悪い。上の2点はその中間の精度。


理由を検証した結果、「構えた時の顎の引き加減」が違うことが判明した。
的の位置が上下することにより顎の角度が変わり、目線と吹き筒の先を利用したサイティングに誤差が発生していたようだ。
顎の引き加減や首の角度を含め、腰から上の各部分のアライメントは一定に保った状態、腰の少し下、脚の付け根部分から上半身の角度を変えるようにし、高さに対応することで精度の高い射撃ができるようだ。

初速比較 Cold Steel Big Boar Blowgun

Cold Steel Big Boar Blowgun 4ft.と5ft.の初速比較。
長さ300mmの違いが、この極めてシンプルな道具の性能にどう影響するか、データ収集を行った。


4ft.(120cm)
1回目 28.92mps
2回目 28.47mps
3回目 27.75mps


平均 28.38mps
時速換算 約102km/h 


5ft.(150cm)
1回目 31.94mps
2回目 31.29mps
3回目 30.79mps


平均 31.34mps
時速換算 約112km/h 


エネルギーの発生源が人間の為、測定者の力量や、体調により誤差は大きいと思われる。
が、参考データとして検証。


結果、長さ300mmの差は主に、命中精度と射程距離に影響することが判明した。


時速で約1割ほど5ft.の方が速い。
矢の重量を組み込み、計算すると運動エネルギーは約2割ほど向上している。


10m程度の距離で使用する場合は差は出にくいが、15m、20m、と距離を伸ばしていくに従い、
風への抵抗力や、的への貫通力を保つ為に、
矢に対してより多くのエネルギーを伝えられる5ft.が有利になってくる。
その他、筒の長さによる照準の安定性と、重量による射撃前後の振動低減効果なども高い。
ただし、取り回しは4ft.に比べて劣る。
身長166cmの私が、分割せずに運搬する場合、120mmでも限界を超えていると感じる。



後日、運搬性の高い同社の150cm2分割タイプも検証予定。



状況に合わせ、
高出力で安定性の高い5ft.
取り回し優先の4ft.
と使い分けるのがこの道具のキャラクターに合っているのではないだろうか。

一本打ち 吹き矢の練習風景

距離5m
的の高さ140cm


一本の矢を丁寧に撃つ練習である(一本打ち)


的と立つ場所を往復しながら前の矢の結果を次の矢で活す為の模索を行う。
初矢の的中率を上げる練習でもある。
書籍、無明庵「中級手裏剣術」内に手裏剣の練習方法として書いてあったものを吹き矢の練習に応用した。


下は、約一ヶ月前におこなった同様の練習動画
2011年12月5日アップロード

前回は的の黒丸(直径7cm)に収まるグルーピングだったが、今回は、1円玉サイズの直径20mmの白丸を中心として35mmほどのグルーピングとなり、
約2倍向上している。


使用している矢は、コールドスチールの製「ミニブロードヘッドダーツ」
息受け部分は硬質プラスチック製。直径16mm。


グルーピングの向上に伴い、
前に刺さっている矢の息受け部分に、後の矢が刺さる回数が増加した。
10mmタイプと違い、16mmタイプは一回の接触で息受けが破損してしまう。
消耗品の息受け部分のみでは販売されておらず、入手先が今のところ見つからない。
矢の節約も兼ね、距離5mでは1本打ちの練習を増やしている。


また、今回は前回の全長1200mmのブローガンより300mm長い、全長1500mmのブローガンを使っている。
一ヶ月で照準の合わせ方が上達した面もあるが、基本的にはこの300mmの長さと重さの増加が、命中率向上に貢献していると感じる。

2012 吹き矢の練習始め

吹き矢の練習初めを、手に入れたipodtouchで撮影。
距離は5m
的高さ1400mm
口径10mmタイプ 1500mmブローガン使用。


これまで使っていたエアガン用の的を止め、ゴムの的に直径25mm
の円形に切り取った白いテープを貼り、これを狙う。


エアガン用の的は中心70mm部分が黒色で、
以前は「黒色の辺り」を狙っていたが、今回は「白色の点」を狙うことにした。


効果として、以前の的より矢が狙った場所に明らかに、集まりやすくなった。
ほぼ、50mmの円内に収まっている。以前は調子のよい時でも、5本打つと70〜80mmのグルーピングだった。
視力は両目で0.7前後かつ、軽度の乱視が入っている為にこれまでは、的の中心を見ているつもりでも、そうでなかったことが明らかになった。


以前のエアガン用的でも、黒色の円の中に細い白線で書かれている的の中心をはっきり見ることのできる、視力がある場合は問題ないのではないだろうか。


このブログでは、得点を競うのではなく、ブローガンの種類と性能、構え方や、矢の性質のバリエーションの実体験を収集したものを検証するために、記録することを当初の目的としている。
又、ブローガンの性能評価にはある程度の技量が必要な為に、日々練習を行う中で既成の的に疑問を持ち、一旦意識を外し、視力や、好みが自分にあったオリジナル的の選定も上達の近道だと感じた初稽古だった。

吹き矢の練習 Blowgun Practice Distance 18m


距離約18m
的の中心に書いた円の直径は約100mm
高さは地面から約1400mm
Cold Steel Big Boar Blowgun 5ft. Professional 使用


今年の練習納めとして、距離18mに挑戦。
前回は4ft.だったが、今回は5ft.を使用。


使用矢:大口径ブローガン用ミニブロードヘッドダート 
全長:112mm
重量:3.9g


風は少し吹いていたが、重量のある矢のおかげで、
筒の延長線上を放物線を描きながら、ほぼ、真っ直ぐ飛んでいく。
矢が筒の先を抜けた後でも息を吐き続けるイメージを持つことで、矢により多くの推進力を与えられるようだ。
目線は矢を放った後も、的を見続けることで筒のブレも少なくできる。


長距離の吹き矢を続けているとだんだんと体に力みが蓄積されてくる。
適度に力みを取ることも必要だった。


矢を飛ばす際は、単に大きな力が必要というよりは、爆発力や瞬発力のような力の発生から発散までの「差」の大きさが必要かもしれない。


画像は数回撮影した内のベストショットだが、
90パーセント程の確率で18m先の白いマットには矢が刺さるように精度が上がってきた。
左右のブレは比較的少ないが、上下のブレが大きい。
時々へたってしまい、矢の威力が弱くなり下の方に着弾点がずれる。
ある程度の強い息を毎回安定して吐けるようになる必要がある。


今回は寒さと空腹の為に練習は30分程で切り上げた。
吹き矢をすると内臓の動きが活性化するのだろうか?空腹を感じやすい時がある。


また、吹き矢を行う場合、食事から2時間以上は必要だと感じる。
以前、宅急便で吹き矢が到着した際、待ちきれずに食事の直後に吹き始めた。
すると、暫くして腹痛に襲われれ、20分ほどトイレに篭ることになってしまった。


食べ物や、消化能力の個人差もあると思うが、
吹き矢で息を吐く際は、胴体や腹部の筋肉を主に使うので、内臓に負担の少ない食事後に十分な時間を空けて行いたい。

ネイル式吹き矢の練習 Blowgun Practice


距離5m 的の高さ1400mm 
吹き筒:アルミ製2段式、内径13mm 長さ1m


ネイル式吹き矢は
長さ130mm
重量0.8g
息受けが大きく、比較的軽量な為か、吹きやすく感じた。
少ない息の量でもスムーズに飛んで行く。
今回使用した吹き筒の長さも関係しているように思える。
男女、年齢問わず、使いやすいのではないだろうか。


吹き矢本体はプラスティック製、先端に金属が付いているが、先端は尖っていない。スタイロフォーム(発泡スチロールのような物)に紙を貼った専用の的に「パコン!」と大きな音を出しながら刺さる。


大きさや形状も、誤って口の中に入ってしまった時や、人や物に当たった場合の安全性も先端が尖っているタイプに比べて高い。


吹き筒が軽量な為、ブレを拾いやすい。
錘を付けたり、吹き筒の素材をステンレスなど、重いものにすれば安定してくるのではないだろうか。


距離10mで使う場合は照準をあわせやすくすることも兼ねて、長さもあと2割以上はほしいと感じた。